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FAQ

Q1. Staining Gridとは何ですか?

Q2. なぜStaining Gridを開発したのですか?

Q3. Staining Gridはどのように使えばよいですか?

Q4. カラーコード表示の意味を教えてください。

Q5. なぜ、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ装用2時間後に観察を行ったのですか?

Q6. 新品のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと使用1週間後のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズで、レンズケア用品との適合性(相性)を比較したのはなぜですか?

Q7. シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズとレンズケア用品との組合せによってステイニングの強さに差が現われるのはなぜですか?

Q8. 角膜ステイニングを行ってわかることは何ですか?

Q9. シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ以外のソフトコンタクトレンズでもレンズケア用品との適合性(相性)があるのですか?

Q10. レンズケア用品を選択するときに気をつけるポイントを教えてください。

Q11. Staining Gridの結果を通して日常診療で気をつけるポイントがあれば教えてください。

Q1. Staining Gridとは何ですか?

A1. シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズとレンズケア用品の適合性(相性)をわかりやすくするために、組合せ評価結果をグリッド表示したものです。

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Q2. なぜStaining Gridを開発したのですか?

A2. 近年、日本でもシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズが発売され、今後も市場拡大が予測されます。一方で、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズとレンズケア用品には適合性(相性)があることが報告されています 1)。しかし、それらは海外での研究報告が多く、海外で発売されているコンタクトレンズやレンズケア用品の評価となっています。そこで、日本の実情に合わせ、日本で発売されている製品を用いたStaining Gridを開発することにいたしました。

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Q3. Staining Gridはどのように使えばよいですか?

A3. 患者さんの使用しているコンタクトレンズの種類をグリッドの縦列で探し、その横列でステイニング総スコアの小さいレンズケア用品が装用コンタクトレンズの中で適合性(相性)の高い組合せです。患者さんにシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを処方する際に、レンズケア用品の推奨の目安として活用してください。

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Q4. カラーコード表示の意味を教えてください。

A4. コンタクトレンズとレンズケア用品の適合性(相性)の程度を一目でわかりやすくするために、カラーコード表示をしています。赤はステイニング総スコア4より大きく、多くの患者さんで強いステイニングが起きている組合せです。黄はステイニング総スコア2.5より大きく4以下で、患者さんによっては中等度または強いステイニングが起きているため注意が必要な組合せです。緑はステイニング総スコア1.0より大きく2.5以下で、ステイニングがあまり起きていない組合せです。青はステイニング総スコア1.0以下で、ステイニングはほとんど起きていない組合せです。

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Q5. なぜ、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ装用2時間後に観察を行ったのですか?

A5. コンタクトレンズ装用2時間後に最も強くステイニングが現われ、装用6〜8時間後ではステイニングが軽減あるいは消失していくことがこれまでの研究からわかっています 2)。ですので、最も強くステイニングが現われる装用2時間後に観察を行いました。

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Q6. 新品のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと使用1週間後のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズで、レンズケア用品との適合性(相性)を比較したのはなぜですか?

A6. 新品レンズを使用した試験では、短期間のうちに多くのレンズケア用品とシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの組み合わせにおける臨床上の角膜ステイニングの発生リスクを予想することが可能です。しかし、実際のコンタクトレンズ使用状況では、コンタクトレンズに付着した蛋白、脂質、涙液成分(ムチンなど)、微生物などの汚れやレンズの劣化も角膜に影響を与えます。したがって、それらの影響について検討するため、角膜ステイニングの発生を実際の装用サイクルに基づいて使用したレンズで評価をし、新品レンズの結果と比較しました。

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Q7. シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズとレンズケア用品との組合せによってステイニングの強さに差が現われるのはなぜですか?

A7. 原因は解明されていませんが、レンズケア用品の消毒成分や緩衝剤、粘稠性物質などの配合成分の違いや、コンタクトレンズの素材や表面状態などが一因と考えられています。

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Q8. 角膜ステイニングを行ってわかることは何ですか?

A8. ステイニングが現われるということは、角膜に障害が起きているということを示します。ですから、コンタクトレンズとレンズケア用品の組合せでステイニングを起こしやすい組合せは適合性(相性)が悪いことを意味します。角膜の状態の悪い患者さんに対しては、適合性(相性)について注意をする必要があり、適合性(相性)の悪い組合せは避ける必要があります。

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Q9. シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ以外のソフトコンタクトレンズでもレンズケア用品との適合性(相性)があるのですか?

A9. シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズほど顕著ではありませんが、従来型のソフトコンタクトレンズにおいてもレンズケア用品との組合せによって適合性(相性)に違いがあります。従来型のソフトコンタクトレンズでも、製品によっては強いステイニングが発生するものがあるので、注意が必要です。

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Q10. レンズケア用品を選択するときに気をつけるポイントを教えてください。

A10. コンタクトレンズとの適合性(相性)を考えてレンズケア用品を選択することが大切です。過酸化水素製剤は高い適合性(相性)が認められましたが、患者さんによっては使用方法を誤ることもあり、必ずしも最適な選択ではない場合もあります。また、マルチパーパスソリューション(MPS)は、使用方法は簡便ですが、コンタクトレンズとの適合性(相性)を考慮して選択する必要があります。患者さんにレンズケア用品を推奨する際には、実際の使用方法を実演するなどし、誤った使用方法をしないよう指導することも大切です。

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Q11. Staining Gridの結果を通して日常診療で気をつけるポイントがあれば教えてください。

A11. まず、レンズケア用品を推奨する際に、患者さんが使用しているコンタクトレンズに対して最も適合性(相性)の高い組合せを選択してあげることが大切です。
また、コンタクトレンズ装用中は自覚症状がないことが多いので、角膜の状態を把握するためにはステイニングを行うことが大切です。その際は、まずコンタクトレンズをはずすこと、そしてブルーフリーフィルターを使用して観察を行うこと、装用してから何時間たった状態を観察しているのかを把握することがポイントです。患者さんが実際にどのようにレンズケアを行っているのかを把握することも重要なポイントとなります。
Staining Gridの結果によるシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズとレンズケア用品の組み合わせにかかわらず、慎重に角膜ステイニングを観察していく必要があります。

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1) Jones L, et al.: Optom Vis Sci, 79: 753-761, 2002
2) Garofalo RJ, et al.: Eye & Contact Lens, 31:166-174, 2005