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    シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ | アイアカデミー


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    シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ


    シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ

    従来のソフトコンタクトレンズの欠点

    左:-10D、右:-2D

    図1 ソフトコンタクトレンズ(球面)の断面


    右:球面レンズ、左:トーリックレンズ(プリズムバラスト)

    図2 ソフトコンタクトレンズの断面


    ハードコンタクトレンズ装用下の眼球への酸素供給は、主に瞬目によるレンズ移動に伴う涙液交換に依存していますが、ソフトコンタクトレンズ装用下では涙液交換に伴う酸素供給はわずかであり、主にレンズ自体を透過する酸素に依存しています。ソフトコンタクトレンズ装用下の眼球への酸素供給量を増やすには、素材の酸素透過性をあげることが必須です。


    ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの酸素供給の違い

    しかし、従来のハイドロゲル素材の酸素透過性は、素材に含まれる自由水に依存しているために、水の酸素透過係数(Dk値)である80を越えることは理論的に不可能でした。つまり、既存のハイドロゲル素材のソフトコンタクトレンズでは酸素透過性が十分ではありませんでした。特に近視度数が強いソフトコンタクトレンズ(図1)やトーリック(図2)やバイフォーカルのような特殊ソフトコンタクトレンズではレンズ厚が厚くなり、角膜内皮細胞障害、角膜血管新生、pigmented slideなどの慢性の酸素不足による眼障害を引き起こします。またコンタクトレンズ装用による酸素不足は、感染症を助長させることも報告されています。


    シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズとは

    世界中コンタクトレンズ市場で、最も注目を浴びているのがシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズです。従来のソフトコンタクトレンズはハイドロゲル素材からなり、素材の酸素透過性は含水される水の成分に依存していました。水の成分が多いほど酸素透過性が高くなります。そのため水の酸素透過性が従来のソフトコンタクトレンズの酸素透過性の限界でした。近年、水よりも酸素透過性が非常に高いシリコーンとハイドロゲルを合体させる技術が開発されました。それがシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズです。

    従来のハイドロゲルSCLに比べて数倍〜数十倍の酸素透過性を持ちます。すでに海外では1ヵ月交換タイプとしてナイト&デー(チバビジョン)、ピュアビジョン(ボシュロム)、2週間交換タイプとしてアキュビューアドバンス(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、アキュビューオアシス(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、O2オプティクス(チバビジョン、ただし日本で発売されているものとは異なる)、バイオフィニティー(クーパービジョン)が発売されています。1ヵ月交換タイプは欧米では30日間連続装用の認可も受けています。現在、ほとんどのコンタクトレンズメーカーがシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの開発に主眼をおいており、近い将来、乱視用、老視用のみならず、1日使い捨てシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズも登場するでしょう。従来のソフトコンタクトレンズの素材であるハイドロゲルが市場から無くなる日もそう遠くはないでしょう。

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    シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズのメリット

    ・高酸素透過性

    これまでのソフトコンタクトレンズの素材であるハイドロゲルでは酸素透過性は含水率に依存し、水の酸素透過性であるDk80を越えることは理論的に不可能でした。そのため、ハイドロゲル素材のソフトコンタクトレンズでは、たとえ使い捨てソフトコンタクトレンズであっても、長時間の装用により酸素不足を生じ、感染症、角膜血管新生、角膜内皮細胞障害などの合併症を生じていました。シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズはハイドロゲルにシリコーンを配合させることにより、従来のハイドロゲルコンタクトレンズの数倍の酸素透過性が実現できています。ソフトコンタクトレンズの弱点である酸素不足を改善することができ、酸素不足に伴う感染症、角膜血管新生、角膜内皮細胞障害などの合併症の発生を大幅に抑制できると期待されています。


    従来のSCL素材とシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの酸素透過性の違い


    ソフトコンタクトレンズの酸素透過性(Dk/L値)

    ・乾燥感を軽減

    ソフトコンタクトレンズ装用時の乾燥感は、素材の含水性とレンズ厚に左右されます。含水性が高く、薄いソフトコンタクトレンズは乾燥感が強く、含水性が低く、厚いソフトコンタクトレンズは乾燥感が少ないといわれています。しかし従来のハイドロゲルソフトコンタクトレンズで高性能(高酸素透過性)のレンズは、高い含水性と薄型のデザインが採用され、乾燥感が強いというのが宿命でした。シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズでは、低含水性でありながら、高酸素透過性を実現できるために、薄型のデザインであっても、乾燥感の軽減が実現できました。

    ・球結膜充血の軽減

    ハイドロゲルコンタクトレンズ(従来の素材)装用

    シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ装用

    ソフトコンタクトレンズ装用時の充血は素材の酸素透過性、レンズフィッティング、眼球表面の乾燥などの要因が複雑に絡み合って発症します。シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズでは、従来のハイドロゲルコンタクトレンズよりも、充血を軽減するといわれています。


    シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズとレンズケアの相性

    PHMBを含むMPS使用者(O2オプティクス装用)にみられた点状表層角膜症

    シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズはPHMBを含むMPS(多目的溶剤)との相性が悪いことが報告されています。PHMBを含むMPSに浸漬したシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを装用すると、装用2〜4時間後にびまん性の角膜にキズが出来ます。ただし、同じPHMB製品であっても、配合される他の成分により、角膜のキズの程度は異なり、同じシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズでも、レンズの種類により異なります。相性の悪い組み合わせを使っていると、重症な角膜障害につながる可能性が高くなるといわれています。最新の情報はhttp://staininggrid.jp/ を参照してください。


    シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを使用する際の注意点

    シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(頻回(2週間)交換タイプ)の白濁

    従来のソフトコンタクトレンズであるハイドロゲルコンタクトレンズとは異なり、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは脂質の汚れが付着しやすいといわれています。脂質の汚れは、コンタクトレンズを消毒液につけておくだけでは落ちません。必ず、こすり洗いをするようにしてください。MPS、あるいは、保存液でこすり洗いを行っても脂質の汚れ(レンズが白濁する)が落ちない場合は、チバビジョン社のミラフローという専用洗浄液でこすり洗いをするようにしてください。ミラフローは非常に効果的な洗浄液ですが、日本への供給量が少ないために国内の販売量が少なくなっています。手に入らない場合は、チバビジョン社に問い合わせを行ってください。

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